法隆寺 大宝蔵院
竣工年
- 1998年(平成10年)
設計者
- 竹中工務店
建築様式(造り)
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄骨造
- 寄棟造
屋根の造り
- 本瓦葺き
階数
- 地上1階
- 地下1階
法隆寺・大宝蔵院の構成と配置案内図
法隆寺・大宝蔵院は「口」という漢字の形状をして造営され、内部には以下のような建造物があります。
- 西側には「西宝殿」
- 東側には「東宝殿」
それぞれが回廊で結ばれており、その東西の回廊が合流する地点に大宝蔵院のシンボルともなる「百済観音堂」が建立されています。
堂舎の景観をみても分かるように映えるような朱色の柱や緑色の連子窓が見えますが、1998年(平成10年)に完成した新しい堂舎です。施工主は竹中工務店です。
法隆寺・大宝蔵院「百済観音堂」
法隆寺・大宝蔵院「百済観音堂」は、西伽藍から東へ歩いてすぐの場合にあります。
法隆寺・百済観音堂は「百済観音像【国宝】」を安置するために造営された施設です。
内部は空調管理などの最新鋭の保管設備が万全の状態で整っており、歴史的な仏像も未来永劫、より安全に安置できます。
法隆寺・百済観音堂は、平成に造られてた新築の堂舎なので、古代の建造物群が立ち並ぶ法隆寺の境内の中では一線を画す例外的な建造物となり、「現代に生きているんだ」という不思議な実感を覚えます。
奈良法隆寺・大宝蔵院 百済観音堂「百済観音像」【国宝】
ここで拝める、百済観音像こと「観音菩薩立像」は、教科書や歴史の資料集でもお馴染みですね。
金堂の釈迦三尊像などとは様式に明らかな差があり、伝来に関しても不明なことが多い観音様です。
しかし、その穏やかな表情、緩やかな曲線美に目を見張るものがあり、見ているうちに惹き込まれてしまい、騒がしい日常を忘れ、自分の気持ちが安らいでいることを感じます。
観音菩薩立像の詳細については以下↓の別ページにてご紹介しております。
奈良法隆寺・大宝蔵院 百済観音堂「夢違観音像」【国宝】
もう1つの有名な「観音菩薩立像」は、別名「夢違観音」といいます。
江戸時代の書物にある「悪夢を見た時にこの観音様に祈ると、良い夢に変えていただける」という記述から広まった名前だそうです。
高さ2m以上の百済観音と比べると、90cmほどのこの観音様は小柄で、しかもフっくらとしていて、どこか親しみやすいお姿です。
他にも、推古天皇が所持されていたと云われる「仏殿の玉虫厨子」など、多くの国宝や重要文化財が見られます。
展示替えも行われるので、法隆寺を訪れたらその度に見に行きたいものです。
似た名前ですが「大宝蔵殿」というのは別の建物で、大宝蔵院の完成まで寺宝が公開されていた場所です。
夢違観音の詳細については以下↓の別ページにてご紹介しております。
大宝蔵殿・百済観音堂の展示寺宝 一覧
- 百済観音立像(飛鳥時代)【国宝】
- 夢違観音像【国宝】
- 玉虫厨子(飛鳥時代)【国宝】
- 金銅阿弥陀三尊像
- 橘夫人時念仏および厨子(白鳳時代)
- 百万塔
- 九面観音像
- 金銅小壁画(天上人画)
- 菩薩立像
- 釈迦如来および脇侍像
- 観音菩薩立像
- 弥勒菩薩坐像
- 厨子入押出阿弥陀三尊および二比丘像
- 地蔵菩薩立像
- 六観音
- 梵天・帝釈天および四天王像
- 吉祥天立像
- 聖徳太子の諸尊像
- 聖徳太子二歳像
- 聖徳太子孝養像
- 聖徳太子二王子像
- 五尊像
など、他、数点が安置されています。
大宝蔵院出入口の扁額(看板)に注目!
多く人がそのまま通りすぎてしまいますが、なんと!大宝蔵院に出入口(門)の内側上部には扁額が飾られています。
この扁額、どこかで見覚えはありませんか?
はい!
これが分かったあなたは、なかなかの奈良通です!
そうです。
東大寺境内にも榊莫山の作品(扁額)があります。
例えば
三月堂前の「絵馬堂(茶屋)」
東大寺塔頭「中性院」
・・そして東大寺の石碑です。
榊莫山は、東大寺の歴代の管長を弟子に持つという奈良とは縁深い人物として知られています。