奈良・中宮寺「表御殿」【登録有形文化財】
創建年
- 不明
- 1751年(寛延4年)から1829年(文政12年)/江戸時代後期
建築様式(造り)
- 入母屋造
- 木造平屋建
- 書院造
屋根の造り
- 本瓦葺
夢殿側入口から見た大きさ
- 横幅:約12m
- 奥行:約9m
建築面積
- 117㎡
登録有形文化財指定年月日
- 2006年(平成18年)11月29日
中宮寺・表御殿の読み方
表御殿は「おもてごもん」と読みます。
中宮寺・表御殿の役割りと歴史・由来
中宮寺には、創建以来から守られ続けている「仕来り(しきたり)」があり、その仕来りと言うのが「門跡尼寺」と呼称するものです。
門跡尼寺の「門跡」とは、皇族や身分の高い貴族などが僧侶へ転身することで、「尼寺」とは女性が管理する寺のことを指します。
すなわち「門跡尼寺」とは、皇族の一族の女性が住職として運営する寺のことです。
中宮寺の表御殿は、「宮家(みやけ)」と呼称されるいわゆる皇族の一族をお迎えするために造営された御殿(住居)です。
ところで・・「中宮寺の現在の門跡は皇族??」
ここまでのお話の内容で気になってくるのが「現在の中宮寺の住職は天皇の一族?」と言う疑問です。
実は、1871年(明治4年)5月、明治政府の「太政官布告第二百七十」と言う発令によって門跡制度は廃止おり、現在では古来のように皇族が下向して僧侶になると言ったことはありません。
ちなみに中宮寺の現在の住職は「日野西光尊さん」と言う女性の住職です。
そして、中宮寺の最後の皇族の住職と言うのが1865年に死去した「成淳女王(せいじゅん)様」と言う「伏見宮家(ふしみのみやけ)」から下向されたご息女です。
伏見宮家とは天皇になる家格を持った宮家の1つだったのですが、1947年(昭和22年)の皇籍から外されており、現在では一般人の伏見家として存続しています。
中宮寺・表御殿の建築様式(造り)
中宮寺・表御殿の内部は6部屋で構成が成っています。
建家の南東には、格天井(ごうてんじょう)張り・書院造りの「上段の間」が設置されています。
北東には「御座の間」が設置されており、四方には襖絵などの絵画が飾られています。
これらの絵画の1つ1つも江戸期の文化を現代に伝える貴重な意匠です。
中宮寺・表御殿の特別公開
中宮寺の表御殿は、普段は一般の方が内部を見学することは叶いませんが、不定期で特別公開が行われているようです。
中宮寺・表御殿の特別公開の入場料金
- 無料(但し、中宮寺の拝観料金は必要)
見学可能時間(公開時間)
- 9時から16時まで
中宮寺・表御殿の場所(地図)
表御殿は、法隆寺・夢殿から続く入口から入って真正面に位置し本堂の裏側になります。
中宮寺・境内案内地図
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