法隆寺「九面観音菩薩像(木造観音菩薩立像)」【国宝】

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法隆寺・九面観音菩薩像(木造観音菩薩立像)【国宝】

法隆寺・九面観音(木造観音菩薩立像)【国宝】

 

像高

約38cm

造立年

不明(推定719年に唐から請来/しょうらい)

作者

不明

造立方法

一木造り

材質

白檀(びゃくだん)の木

安置場所

法隆寺・大宝蔵院

国宝指定年月日

1955年(昭和30年)6月22日

「九面観音」の読み方

よく、表面的なニュアンスから”きゅうめん かんのん”と読む人がほとんどだと思われますが、正しくは ”くめ(=九面)かんのん“ と、読みます。

○面観音という仏像は大抵、「十一面」が多いのですが、九面観音は名前の通り、他に八面の顔を持つので合計で「九面」と呼ばれる珍しい観音菩薩となります。

現在は法隆寺・大宝蔵院に所蔵されています。




えぇっ?!「九面観音菩薩」は日本で造られたのではなく、「中国」から渡ってきた?!

法隆寺・九面観音菩薩は「白檀(びゃくだん)」という木の「一木造(いちぼくづくり)」の像で、719年(養老3年)遥々、中国の唐から渡ってきました。

九面観音の高さは約38cm。..小っサ。ピッこいのぅ。

しかし、驚くのは小さい上に、大変繊細な彫刻でもあります。

思い出してください、この像は「一木造」です。

つまり、一本の木から仏像を彫っていくワケです。

上から下まで、頭上の小さなお顔も揺れる耳飾りも、首や胸の数珠のような飾りも、波打つ天衣も、足元の蓮華も、全て一本の木材から削り出されたものです。

右手に持つ数珠も、左手の水瓶も、もちろんそうです!

顔に対して身体つきがやや華奢にみえますが、これはこの当時の大陸の仏像特有の特徴とも言えます。

頭上に化仏を乗せ、冠に慈悲の面、瞋怒の面、笑い面など合計8つの面をもっています。

日本で9面の仏像が造立された例は極めて少ないですが、9面というのは大陸ならではの仏像と言えます。

この上、細部に至るまでの繊細な彫刻はこの当時の日本の仏像にはなかった造形美です。

「白檀」はとても固い木なので細かい細工に向いている材ですが、それにしても素晴らしいの一言。

かの地でこれを見た日本人は、仏師の高度な技術に度肝を抜かれたことでしょう。

大宝蔵院に行ったら「百済観音」やお隣の「夢違観音」だけでなく、この「九面観音」にもご注目ください!

「法隆寺・九面観音菩薩」の安置場所

  • 法隆寺・大宝蔵院

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