法隆寺 西円堂「薬師如来坐像」【国宝】

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法隆寺・西円堂「薬師如来坐像」【国宝】

法隆寺・西円堂・薬師如来坐像

造立年

不明
推定:718年(養老2年/奈良時代)

像高

246.3㎝

造立方法

脱活乾漆造

発願者

橘夫人(光明皇后の母ジャ)

造立者

行基菩薩(行基)

安置場所

西円堂

薬師如来座像の読み方と別名

薬師如来座像は「やくしにょらいざぞう」と読みます。

薬師如来座像には別名があった!

当該、薬師如来座像は古くから別名で「峰の薬師」とも呼ばれ、多大な崇敬が現在も変わらず寄せられています。




薬師如来坐像の歴史

西円堂の最大の魅力は、「薬師如来坐像」です。

「薬師如来坐像」は「やくしにょらいざぞう」と読み、上述したように西円堂の創建当初から存在すると云われる仏像です。

1364年(貞治3年)に法隆寺僧侶の「重懐(じゅうかい)」が編纂した「法隆寺縁起白拍子(ほうりゅうじえんぎしらびょうし)」の記述によれば、聖武天皇の嫁ハンである「光明天皇(県犬養 三千代/あがたの いぬかいの みちよ)が七仏薬師を7ヶ寺に奉安した中の1体がこの仏様であるとされています。

さらにこれら7ヶ寺、各々の薬師如来へ拝すれば、たちまちのうちにあらゆる病が平癒にいたり、健康長寿のご利益をさずかることができる霊験あらたかな仏であることも記されています。

1953年(昭和28年)には国宝指定を経て、現在に至ってもこの西円堂で大切に安置されています。

薬師如来坐像の特徴や造り

西円堂の薬師如来坐像は、「乾漆造り(かんしつつくり)」で造立されており、「漆(うるし)」を「麻布(まふ)」で塗り固めた像です。

木屎漆(こくそうるし)を用いて表面を塗り固め造形していますので造形美が感じ取れます。

木屎漆は漆に木クズを混ぜたドロっとした液体になります。

脱活とは「だっかつ」と読み、内刳り(空洞)を意味します。

西円堂の薬師如来坐像は、脱活乾漆造りで現存している像としては日本最古とも云われています。

造立者は行基菩薩か?

法隆寺の寺僧「良訓」が著した「古今一陽集」の記述によれば718年(養老2年)に橘夫人が発願し、行基菩薩(行基)が造立した薬師如来座像であると記されています。

これとは別に、古来、この仏様は霊験あらたな仏様だと篤い崇敬が寄せられ、少し小高い山の上に西円堂があることから「峯の薬師(峰の薬師/みねのやくし)」とも呼ばれています。

像高は2m43cmで、少し怒ったような強ばったお顔されております。

まるで、『激ムカついてムカっ!イラっ!・・とキタけど・・、いや、ここで爆発したら器が小さいと思われる・・まぁまぁまぁここは抑えて抑えて・・クっ!』みたいなお顔に見えます。

しかし、それとは逆に大変、徳の高さを感じることができ、幾世分も蓄積された霊験を感じずにはいられません。

西円堂の御本尊・薬師如来のご利益

この西円堂の御本尊・薬師如来は「耳の病にご利益がある」とのことから、古来、「錐(きり)」を奉納する風習があります。

つまり「ふさがった耳の穴に錐で穴を開ける」の意です。..キリキリキリ..ヒっヒっヒっ..。ギゃ~(恐)!!

他にも、健康長寿、病気全般において平癒にもご利益があります。

薬師如来座像の安置場所

薬師如来座像は西円堂に安置されています。西円堂は南大門をくぐって左奥になります。金堂・五重塔を取り巻く回廊の鐘楼の付近に位置します。

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