見どころの多い法隆寺の中でも、やはり世界最古の建築物である「法隆寺・金堂」は誰もが参拝するメイン中のメインの観光スポットです。
そして、あまり気づく人が少ないのですが、なんと!法隆寺の金堂には「動物の彫刻」が彫られています。
少し彩りが欠けますが、これは栃木県の日光にある東照宮を彷彿させるものとなります。
金堂の彫刻の作りはかなり精巧に作られており、見ごたえがあります。
下からですと少し見にくいですが、ぜひ、よくご覧になってください。
法隆寺「金堂の龍」
法隆寺金堂の一番上の大屋根を支えている柱をよくご覧ください。
上下の屋根の間に、「龍」が巻き付いた柱があるのを視認できます。
この龍は法隆寺の創建当初から存在したものではありません。
と、いいますのも、この柱は江戸時代(元禄)の修理の際、屋根の重さに建物が耐えられるようにと付加されたものだそうです。
さらに、この金堂の「龍」には名前があり、それぞれ「昇り龍」「下り龍」と呼ばれています。
法隆寺「金堂の昇り龍」
かなり精巧に彫られているのが確認できます。
日光東照宮ほど彩りには欠けますが、極めて完成度の高い彫刻であるといえます。スゴっ
法隆寺・「金堂の下り龍」
法隆寺の金堂の龍が「昇り龍」と「下り龍」である理由
古来、「龍」は中国の帝位の証となる「伝国璽(玉璽/ぎょくじ)」にも彫られており、偉人を表現していたと云われております。
これらのことから、昇り龍と下り龍の意味合いは、古代の偉人を表現したのではないか?などと云われております。
「功績を残した偉人ほど腰が低く頭を垂れる」
そして、この言葉から「下へ向かって彫られている龍」が、法隆寺では「昇り龍」と云われているそうです。
しかし、これも諸説あり確たる理由がないようです。
またもう1つの説としては、法隆寺創建当初の時代背景として、大陸文化(中国や朝鮮)の影響を強く受けて建立されており、その由来に伴い「昇り龍」と「下り龍」にしたのではないか?
・・などと云われております。
法隆寺「金堂の龍」の作者と龍が彫られた理由
龍の彫刻が据えられた理由は、法隆寺を襲った幾度もの厄災から守る意味合いで彫られたのだと云われております。
古来、中国での「龍」は、「運命が開けて良い事が起こる兆し(吉兆)をもたらす神聖な獣」として伝承があります。
このような精巧な龍を造立した作者に関してですが、残念な事に現在でも判明しておらず、作者に関してはいっさい不明とされております。
インドと法隆寺の交流の証か?!「ゾウの像」
法隆寺の象の像(ゾウのゾウ)..ココ笑うとこね(失笑ドンと来い)
冗談はこのあたりにして、仏教ではゾウは「富と繁栄をもたらす神様」として崇められています。
そんな由来から、この法隆寺の大屋根の備え付けられたのでしょうか。
確かな理由は判明していません。
ちなみにインド仏教では、ゾウの姿をした有名な仏さまがいます。
日本では、秘仏として扱われる事の多い「歓喜天(かんきてん)」です。
「歓喜天」はシヴァ神の長男とされています。
また、普賢菩薩が乗る霊獣としても象は有名です。
他にも、お釈迦さまは白い像に乗って母胎に入ったとの伝承もあります。
法隆寺・金堂と五重塔の裳階の「獅子」「鬼?」
法隆寺の金堂だけではなく、五重塔にも彫刻があります。
「龍」は目立ちますが、こちらはよく見て探してください。
「裳階(一番下の屋根のようなもの)」の上に、屋根を律儀に支える獅子と「邪鬼?」の彫刻があります。
簡単に「獅子」「邪鬼」と言いましたが、当時の人々が「ライオン」や「邪鬼」を間近に見たとは思えませんから、これらは大陸から伝わった伝承や美術品、工芸品から着想を得た聖獣の一種、守り神か厄除けなのでしょう。
終わりに・・
◯◯造りとか◯◯様式とか、柱や屋根形までは覚えられないし興味もない!
・・という人も、わかりやすい「動物の彫刻」なら見つけやすいので、観光のポイントにしてみてください!
結構、精巧に作られていますので、ぜひ、金堂に立ち寄る際は、目を凝らしてご覧になってください。望遠鏡やポケットグラスをお忘れなく!
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