奈良 法輪寺「西門(上土門)」【県指定文化財】
創建年(現在のもの)
- 不明
- 室町時代後期〜江戸時代前期
再建年
昭和54年 ※解体修理
門の建築様式(造り)
- 上土門(あげつちもん)
法輪寺境内の西側ある小さな門ですが、この門は「上土門(あげつちもん)」と称される門の数少ない遺構です。
「上土門」とは?
別名で安土門(あずちもん)とも呼称し、平安時代以降、平らな屋根の上に土をのせて造った門のことです。
近世では土の代わりに檜皮葺(ひわだぶき)で葺かれる門も出没しています。
法輪寺「西門(上土門)」歴史
法輪寺の西門も板を並べた上に土を置いて妻側に土留めの絵振板(えぶりいた)を置いた門でしたが、訳あって昭和54年に解体修理が執り行われ、板葺きの様式で修復されています。
しかしながら、現在の西門も以前の様式を踏襲する形で両妻に絵振板台と絵振板を残しながら、本瓦をのせ、格式ある棟門(むねもん/格式のある屋根つきの門)としての佇まいは活かされています。
上土門は絵巻物などに多く描かれた公家や武家の邸宅、そして法輪寺のような寺院で用いられた門です。現在ではこの門のほか、法隆寺西園院の上土門が現存するのみとなっています。
この西門は関係者しか通行できないことから、一般参拝者とは縁のない門なので素通りされる方がほとんどだと思いますが、。
なお、この上土門は創建当初から現在地に建てられていたワケではなく、法輪寺子院の表門だったようです。これを江戸時代以降に現在地に移築したきたものだと考えられています。
西門(上土門)の場所(地図)
庫裏の前、三重塔後方にある門です。一般の出入りはできません。境内の外からと、境内から見れます。
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